ナンパ以外での出会い①-③~一の太刀~

ホテルチャレンジを失敗した私は、女性をなだめてカフェへ向かった。
正直に言うが、私は女性を抱くことはこのときすでに諦めていた
まぁ、当たり前だ。ホテルチャレンジに失敗したのだから。
※そもそも女性はその場で帰るのが自然だし、そのあとカフェに付き合ってくれるだけでこの子は優しいというものだ

 

「おいおい、Yよー。抱けないと諦めてたのに、なんで未練がましくカフェ誘ったんだよ?」
と、思われるかもしれない。
ブラザーのK君が自宅に女性を連れ込んで失敗したことを思い出した。
私も失敗した理由を知りたかったのだ。
そして、私は男として言いたくない言葉を彼女に言った。

 

俺のどこがダメだったのか教えてくれ

 

Yさんは話してて面白いし、あなたが悪いわけではない。
ただ、私は彼氏がいるし…私はこうしている今でも彼のことを考えてるから

 


……
………

 

はい、来ました!建前彼氏グダ!
彼女は飲み屋で「私が魅力的だと思った人との引き換えなら、抱かれてもいい」と言っていた

 

 

彼氏うんぬんは関係ない。
私の魅力が足りなかったいうだけの話だ

 

さらに彼女は言ってくる

 

Yさんとはもう会わない。
私は情がわいてくるタイプだから、あなたの期待には応えれないから

 

 

彼女とは、もう会うことはない。
そして、敗色濃厚である。いや、すでに一度拒否られているので私はすでに敗退している。
それであれば、己の持っている全ての力をぶつけよう。

 

もう、「次」はないのだから

 

私は、頭の中でこの期に及んでやはり彼女を抱きたいと考えていた

 

彼氏が云々いっているがそれは建前だ
…彼女は魅力的な男であれば抱かれても良いといっている
…しかし、もはや挽回は不可能
…彼女は自分でも言っていたが、情に弱い・流されそうなとこはあるような気がする

 

私は全ての力を彼女につぎ込もうと考えていた。
繰り返しになるが「次」はないのだから。

 

そう。
自分のもてる力を全てつぎ込んで。
自分の「一の太刀」を彼女にぶつけるのだ。

 

そして、私は言った。

 

 

よし、分かった。もう会えることは無いよね。
すっぱり諦めるよ。だから、キミを抱かせて欲しい。

 

……いや、私はしたくないから 笑

 

 

はい、返り討ちにあいました。
考えた挙句出てきた私の「一の太刀」は、自分の欲にまみれたセリフなのだから当然だ。
しかし、それでも私は再度「一の太刀」を打ち込んだ

 

 

今日、キミを抱けば俺も諦めがつくからさ

……それしたら、Yさんが後悔すると思うよ 笑

 

 

女性は苦笑いのような失笑のような表情で、まだ拒絶してくる
私の「一の太刀」は二度にわたって届かなかった。

私は最後の「一の太刀」を彼女に打つことにした(「次は無いんじゃねーのかよ」「てか、その前の飲みのときに全力出せよ」というツッコミは却下)

 

 

確かに後悔するかもしれない。
でも、それだけの思いをすれば
俺は逆に次から頑張れると思うんだよね

あぁ、そういうことね 笑

 

 

ついに、私の「一の太刀」は炸裂した。
そして、私は彼女を抱いた。

 

 

…帰り道、私は満足感・悔しさ・屈辱感・罪悪感が入り組んだ複雑な気持になっていた
好みのコだったとはいえ、男としてのプライドをかなぐり捨ててしまった。
彼女も最後には承諾してくれたが、しぶしぶ折れたというのが本当だろう。

諦めなかったから抱けたと言えば、聞こえはよいが諦めない方向性が違う。
引くべきときに引くというのも持つべき男の美学であるはずだ。

 

ナンパはエンターテイメントである。
そして、エンターテイメントには「もてなす」と言う意味がある。

 

しかし、この日の私はもてなしではなく、ただの欲にまみれた男である。
正直、こんなゲットはもうごめんだ。

 

私はなぜナンパをなんのために始めたのか?
私はなぜHNSに入ったのか?
私はなぜたくさんの悔しい思いをして・膨大な労力と時間をつぎ込みながらもナンパをしているのか?

 

私は、そもそもどういう男を目指しているのだろう?

 

今回の経験を、いろいろな根本の目的を見直す良い機会としたいものだ。

 

次こそは「一の太刀」の使い方を誤らないためにも。

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