全く抱ける気がしない連れ込みを終えた私は、それでもめげずにナンパを続けていた。
しかし、特にこれといった収穫もなく夜になった。
そう、この日は前回の遠征で散々お世話になったブラザーのYuさんとの夕食だった。
HKSの講習は翌々日だったが、翌日にはすでに多くのブラザーが前日入りする予定だったので、
この日が私がYuさんを独り占めできる最初で最後のチャンスだったのだ。
そんなわけで、Yuさんと食事。
3か月ぶりだったが、Yuさんは相変わらずの紳士。
今回も、わざわざ私の好物である鉄板餃子のお店を予約してくれていた。
そりゃ、こんな紳士ではナンパでも結果を出せるよね。と思ってしまう。
まぁ、それは置いておいてYuさんとここ最近の近況を話しつつ、あっという間に時間が過ぎていく。
翌日にはブラザーも多数来るし、翌々日には講習もある。
私は改めて思った。
やはり、今回こそは女性を抱きたい。
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Yuさんと楽しい会食をしたあと、終電までナンパを続ける。
しかし、これといった成果はない。
翌日。めげることなく朝からナンパを続ける。
それでも、これといった成果はない。
ちょくちょくエルゲなどはあるものの、ロマンスに至ることはない。
しかし、私に落ち込んでいる時間などはない。
ロマンスしたいと思うのであれば、ロマンスに至るまで努力と行動を続けるしかないのだ。
そんなこんなで、夕方になった。
この日は前泊したブラザーで夕食をとることになっていた。
その数、前泊だけでも10人ばかり。
会場は、前回の遠征でYuさんとHaさんと何回か食事をした会場だった。
…普段、首都圏であっているブラザーと遠い遠征地で会う。
なんともいえない、不思議な感覚なのだが何とも言えない楽しい気持ちになってくるのが不思議だ。
なぜ、こんなにも楽しい感覚になれるのか?
それは、ナンパという自分が夢中になっていて、
頑張り尽くしていることに対して
共通の価値観を持って一緒に頑張っている仲間だからである。
ナンパに対して夢中になっている。
世間一般で見れば
いい年こいて、何をやってるんだよ
という冷ややかな意見が一般的だろう。
しかし、私たちブラザーは確信している。
ナンパや恋愛に頑張ることで、遅めの青春を取り戻せるということを。
いや、青春を取り戻すことに遅すぎるということはない。
人生に対して充実感を実感できるという特権は、
満たされない現状に足掻いている・
見えない怪物と戦っている・
リスクを顧みずに努力をしている人だけだ。
ナンパが下らないと思う人は思えばいい。
私たちブラザーは確信している。
ナンパほど夢中にさせてくる価値があり、自分の運命を変えてくれるものはないということを。
そのような価値観を共有できるブラザーと食事をしたあと、私は改めて思った。
今回こそ、この遠征地で女性を抱こう!
しかも、翌々日には先生である佐藤さんも来る。
佐藤さんにもブラザーにも何としても
ロマンスしました報告をしたいのだ!
ブラザーとの会食を終えた私は、再びナンパに繰り出した。
そして、ついにかねてからの思いを結実するときが来た。
続く